Rubicon/39


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元ネタは、Pink Froidの同名の曲らしい by Logue 君は3日連続で走り回ったわけだが、君はもしかしたら今まで駆け抜けてきたところ が本物の世界のものかどうか気にしたほうがいいかも知れない。あのラボは実在して いなかったのだ。当然やったことも無駄だ。全ては逃げ口上だったんだ。「あなたは物事を考えようとしないのはなぜかしら?」ケイトは私にそう言った。私は「考えることは苦痛なんだ。もし君が自殺するのをやめないのならばね。」と言ってやった。

 すぐ後に私は考えることを止めた。黒いコートに包まれた男が三人反対側の大きな 黒い机から私をじっと見つめていた。ケイトは彼らの傍に立っていた。「信条を示してみなさい」と、真ん中の男が喋った。私が辞める事を決意したの はまさにそのときだった。続けることはさぞ楽だろう。それは普通の行動でも、やる気のない行動でもない。変化こそが痛みだったのだ。

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 ケイトっはラボにあまり来なくなった。私は彼女にそれを問いただしてみたが、彼女は喋ろうとしなかった。彼女との距離が遠く感じられた。彼女はもはや私がばか者だと言うことはなかった。彼女はもう私と同じ分野で働くことも無かった。彼女は私よりもクラスの高い分野で研究をしているようだった。彼女は私を見た。彼女は私が自分ですべきことだと思っていたことをしたのだと確信していたのだ。

 人々(彼ら?)はもう触れることの無い分野のいくつかの項目のセンセーションで、切断手術を受けた患者が最も頻繁に起こす精神学的な病気は『魂の痛み』だと言っていた。ケイトは心の中で感じた超現実的と思えるほどの温かみだった。だがそれは私の体から彼らにずっと前に取り除かれてしまっていた。

私はまるで手足の無い人間だ。彼女は私の魂のようなものだった。


Last Modified: 2005-08-03 20:25:16